権利証を紛失してしまった場合でも、不動産の権利(所有権等)を失うことはありません。
このことは、震災により権利書を紛失した場合だけでなく、他の事由により権利書を紛失してしまった場合でも、同様です。
なお、紛失した権利証は再発行されません。
不動産を売却したり、不動産を担保に入れたりする場合は、権利証(登記済証・登記識別情報通知書)が必要ですが、権利証を紛失している場合は、別の手段で手続きをすることとなります。
具体的には、登記官が事前通知(個人の場合は、本人限定受取郵便により、法人の場合は原則として書留によります。)の手続により本人確認を行うのが原則となります。
また司法書士等の資格者代理人が権利書(登記済証・登記識別情報)にかわる本人確認情報を作成し、登記官が提供された情報の内容を適正なものと認めたときは、事前通知の手続を省略することができるというものです。
法務省HP
法務省民事局
平成28年(2016年)熊本地震により権利証(登記済証・登記識別情報通知書)を紛失した場合について
平成28年(2016年)熊本地震に伴う家屋の倒壊などの被害により権利証(登記済証・登記識別情報通知書)を紛失された場合もあると考えられます。
しかし、この権利証の紛失によって不動産(土地・建物)の所有権等の権利を失うことはありません。
権利証は、登記の申請をする際に、本人確認資料として登記所に提出していただくものですが、登記をするには、権利証のほかに、所有者の印鑑証明書等の本人確認資料も必要となりますので、権利証を紛失しただけで、直ちに所有権の移転の登記や抵当権の設定の登記が不正にされるなどして、登記記録上の権利関係が変わることはありません。
また、権利証を紛失したからといって不動産の売却等の処分ができなくなるわけでもありません。
なお、紛失した権利証を再発行することはできませんが、不正な登記がされることを予防する方法として、不正登記防止申出制度がありますので、詳しくは,最寄りの登記所にご相談ください。
〔被災地の法務局の連絡先〕
熊本地方法務局不動産登記部門 電話 096-364-2145
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